EC2にTableau Serverをインストールする
EC2(Windows Server)にTableau Serverをインストールするまでの手順を残すために記事としました。こちらは 2022/11/11 時点の情報であることにご注意ください。
前提条件
・Tableau Serverは、単一のサーバーにインストールする
・Tableau Serverをインストールするサーバー(EC2)をローンチするためのVPC、サブネットは構築済み
・Tableauサーバーのシステムには、Microsoft Windows Server(2019)を使用
・Tableau Server 2022.1.8 をインストールする
上記の条件のもと、下記の構成を目指します。
具体的な手順は、下記になります。
要件
ハードウェア
本番環境における、ハードウェアの推奨事項は下記に記載があります。
以下はその抜粋です。
シングルノードにおける本番環境インストールに関するハードウェアの推奨事項
Tableasu Server バージョン |
プロセッサー | CPU | メモリ | 空きディスク 領域 |
---|---|---|---|---|
2022.3 以降 | ・64 ビット (x64 チップセット) ・ARM ベースのプロセッサーはサポート外(※) |
8 コア 2.0 GHz 以上 |
128 GB | 50 GB |
2021.4.0 ~ 2022.1.x | 同上 | 同上 | 64 GB | 同上 |
2021.3.x 以前 | 同上 | 同上 | 32 GB | 同上 |
※:インスタンスタイプの表記のうち、プロセッサーが「g(AWS Graviton)」のインスタンス。
最新版かつ 64 ビットのTableau Serverの場合、最低でも 8コア(AWSでは16vCPU相当)と 128GB のメモリを使用することが推奨されています。
下記に、Windows Server使用時の典型的なインスタンスサイズに関する記載があるので、本番環境はもちろん、開発・テスト時のインスタンス選択の参考となります。
・C5.4xlarge (開発環境にのみ適しています)
・m5.4xlarge (開発環境またはテスト環境にのみ適しています)
・r5.4xlarge (開発環境、テスト環境、または本番環境に適しています)
ディスク
Windows Serverを使用する場合、上表記載の空きディスク領域 50 GBに加えて、最低 100 GB のボリュームを持つ EBS General Purpose (SSD) を別にアタッチする必要があります。
ストレージタイプには、SSD (gp2) またはプロビジョニングされたIOPSが推奨されています。
ストレージ要件(Windows Server)
EBSのアタッチ
OS
Tableau Server 2021.3.0 以降は、Windows Server 2016, Windows Server 2019 に対応していますが、Windows Server 2022 とは互換性がないことに注意してください。
※こちらも2022/11 時点
Tableau Server は Windows Server 2022 と互換性がない
用意したインスタンス
上記を踏まえて、ここでは下記のEC2インスタンスを使用することとします。
項目 | 設定 |
---|---|
OS | Windows Server 2019 |
インスタンスタイプ | r5.4xlarge |
vCPU | 16 |
メモリ | 128 GB |
ルートボリューム | 汎用SSD(gp2)50 GB |
追加ボリューム(Ddrive) | 汎用SSD(gp2)100 GB |
今回のインスタンスタイプの場合、CPUは 16vCPU で 8コア、最大周波数 3.1 GHz です。
EC2インスタンスタイプごとの、詳細(vCPU)は下記が参考になります。
また、EC2には静的なIPアドレスを関連付けておきます。
Amazon EC2 インスタンスタイプ
インスタンスタイプ別の CPU コアごとの CPU コア数とスレッド数
セキュリティグループ
EC2には、下記のセキュリティグループをアタッチしました。
タイプ | ポート範囲 | ソース |
---|---|---|
HTTP | 80 | MYIP |
HTTPS | 443 | MYIP |
RDP | 3389 | MYIP |
インストール手順
Tableau Serverのインストール・セットアップ手順は下記の通りです。 作業はWindows サーバーのローカル管理者グループのメンバーで行います。
1.TSMのインストール
2.Tableau Server のライセンス認証と登録
3.初期ノード設定の構成
4.管理者アカウントの追加
また、インストール作業には最新版のブラウザ(Chrome,Firefox,Safari,Microsoft Edge)が必要になるので、事前にインストールしておきます。
1.TSMのインストール
Tableau Serverのインストール、初期構成やその後のアップグレード、保守を行うためのツールとして、Tableau サービスマネージャー(TSM)が提供されています。Tableau Server のインストールとあわせて TSM のインストールも実行されます。
インストールファイルのダウンロード
こちらよりインストールファイルをダウンロード後、 インストールファイルをダブルクリックし、画面の手順に従ってインストール作業を進めます。(この記事では、2022.1.8 を使用。)
インストールパス
Tableau Server既定のインストールパスはC:\Program Files\Tableau\Tableau Server\
です。今回は、追加したDドライブにインストールすることとし、インストール先を、D:\Tableau\Tableau Server
に変更します。
※既定からインストール先を変更する場合、後述する実行サービスアカウントに対するパーッション設定をいくつか手動で設定する必要があります。
フォルダー パーミッションの検証
画面に沿って進めます。
TSMにサインイン
ここで、サーバーの管理者グループアカウント(作業アカウント)のユーザー名、パスワードを入力します。
2.ライセンス認証
TSMにサインイン後、ライセンス認証を行う画面が表示されます。今回は14日間のトライアル版を使用します。その場合、以降の画面でメールアドレス等を入力します。
3.初期ノード設定の構成
初期設定の画面です。主要な項目は下記の通りです。
項目 | 設定 |
---|---|
アイデンティティストア | 認証方式を選択します。 組織でAD連携を使用する場合以外は、ローカルを選択します。 |
実行サービスアカウント | Tableau ServerはWindowsアカウントで実行されます。 サービスアカウントを指定する場合は、下記の形式で入力します。 ドメインアカウント: domain\username ローカルアカウント: .\username |
ゲートウェイポート | デフォルトでは、HTTP要求の場合、80番ポートを使用します。 他アプリケーションで既に使用している場合は変更します。 |
この記事では、アイデンティティストアをローカルとし、他は図の通りの設定としました。
実行サービス アカウント
Tableau Server ゲートウェイ プロセス
4.管理者アカウントの追加
Tableau Serverの管理者アカウントを入力画面です。
設定後、ホーム画面に進むことができます。
初期設定後のログイン
設定完了後、手元のクライアントからは、http:/ host名またはIPアドレス :80/
よりアクセスできます。
※デフォルトゲートウェイを変更していない場合。
アクセスできない場合、セキュリティグループの設定やサーバーのWindows ファイアウォールが影響している可能性があります。
サーバー停止時の対応
検証時に作業しない間、EC2を停止する場合もあるかと思います。その場合は、必ずTableau Server 停止後に、サーバーの停止や再起動するように推奨されています。Tableau Serverは TSM から停止・起動できます。
さいごに
以上が、EC2(Windows Server)へのTableau Serverインストール手順でした。何かの参考になれば幸いです。機能面は別途記事にできればと思います。